
「3-4×10月」という映画があります。
北野映画の2作目であり、後の評価は高く、 結末も「夢オチ」といわれた本作のロケ地でのエピソードやあらすじのネタバレも含んで、full動画配信 があるかどうかも調べてみました!!!
3-4×10月のあらすじ(結末のネタバレありです!!)
3-4×10月 (さんたいよんえっくすじゅうがつ) のあらすじを紹介します。
(注意!ラストでのネタバレがあります!)
真っ暗な暗闇がある。
そしてドアが開き、光が差し出してくる。
どこかの野球場で草野球チームが試合をしている。
そのトイレから出てくる青年・正樹(小野昌彦)だった。
何をやっても冴えないぼんやりした青年・正樹は「イーグルス」という草野球チームに所属していた
。
ある日、喫茶店の店員でもあるサヤカ(石田ゆり子)をナンパしたところ、なぜか簡単に彼女になってしまう。
ガソリンスタンドで働く正樹は、大友組の組員・金井(小沢仁志)に洗車を任されるが、要領の悪い正樹は金井をイラつかせてしまい結果怒らせてしまう。
金井に突き詰められ正樹は手を振ってしまうが、金井は骨折したと因縁をつけ正樹の勤めるガソリンスタンドに慰謝料として金銭を要求しゆすりをかける。
草野球チームの監督・隆志は元大友組の幹部であったこともあり、正樹がガソリンスタンドでの揉め事で大友組にゆすりをかけられているという事を知り、助けに入ることにする。
しかし 話を付けに行った隆志は逆に もうお前もカタギなんだからと言わんばかりに大友組の元舎弟であった武藤(ベンガル)に生意気な態度をとられ、あしらわれる。
その夜、怒った隆志は武藤を袋叩きにするが、さらに次回は事態は悪化してしまい、隆志は大友組の組員から重傷を負わされることとなる。
いざこざに隆志を巻き込んでしまったと正樹は、イーグルスのメンバー和男(飯塚実)とともに銃を買い付けに沖縄に向かう。
その後、正樹と和男は歓楽街のカラオケバーで、沖縄連合でありながら身内ともめる沖縄連合組員の上原(ビートたけし)とその舎弟の玉城(渡嘉敷勝男)と出会い、結果的に上原の「伝手」で米軍の密売人から銃器を手に入れる正樹と和男だった。
同時期、上原と玉城は花束でカムフラージュした自動小銃を持って沖縄連合の事務所に乱入し、組長組員ら全てを殺害する。
そして正樹と和男が本土に帰る頃、上原と玉城は空港の駐車場で沖縄連合の組員に襲撃を受け殺害される。
正樹と和男は上原と玉城が殺害されたことは知らず帰り着き、大友組の事務所に乱入するが、もたもたしている間にヤクザに捕まり袋叩きにされてしまう。
正樹は何とかその場から逃げ出すものの、結果的に和男をヤクザ事務所に置き去りにしてしまう。
その翌日は正樹は和男の元を訪ねる。
しかし和男はその場から逃げ出したまさきへの怒りをあらわにするが、近所の駄菓子屋でアイスを購入し正樹に手渡し 二人でベンチでアイスを食べるのだった・・・。
(ここからラスト・終末のネタバレです!)
その夜、正樹はサヤカを乗せて止めてあったタンクローリーを奪い、大友組の事務所へ向かって走り出す。
知らせを受けた和男は自転車でタンクローリーを必死に追いかけた。
しかし、追いつけず正樹とサヤカはタンクローリーごと大友組の事務所に突っ込んで爆発し炎上するのだった。
その様子を和夫は唖然としながらただ見つめ立ち尽くす和男。
そして、画面は暗闇になる。
そしてドアが開き、光が差し出してくる。
どこかの野球場で草野球チームが試合をしている。
そのトイレから出てくる青年・正樹は、何事もなかったかのように野球のベンチで歩いていく場面で物語は終わっていく。
全てはなかったことだったのだ・・・・(夢オチでした)
3-4×10月のロケ地でのトラブル
タンクローリーが建物に突入するラストシーンのロケ地は住宅地の空き地を借りて夜間に行ったがのですが、予想に反して大爆発が発生し、その模様は住民によりビデオ撮影され、テレビで流されてしまい、北野監督が住民に謝罪する事態となったのでした。
3-4×10月の評価と感想
3-4×10月は 北野武監督第2作。1990年9月15日全国松竹系ほかで公開 されましたが、配給収入は2.3億円と惨敗してしまいます!
しかしその後、作品としての評価は高まり、
1997年にWOWOWで放映された『淀川長治、北野映画を語る』にて、 淀川長治さんは「もう少年のね、あからさまというのかね、青春というのかね、その狂った青春に近いその青春がね、これほど無邪気、反対に邪気、両方バーっと爆発させた映画ないのね。でこれ見てね、面白いなこの監督思ったんですね」と評論した他、 批評家の森直人さんは「目に激しく焼きつく構図が頻出する映像にはドラッギーな幻覚性が満ち、批評家はゴダールや大島渚と頻繁に比較し後に訪れるフランスでの熱狂的評価につながった」 と感想を述べられています。
「3-4×10月」のキャストとスタッフ
キャスト
- 雅樹(イーグルス)- 小野昌彦
- サヤカ – 石田ゆり子
- 隆志(イーグルス監督、元大友組幹部)- 井口薫仁
- 和男(イーグルス)- 飯塚実
- 美貴 – 布施絵理
- 朗(イーグルス)- 芦川誠
- 拓也(イーグルス)- 鈴木浩
- 三郎(イーグルス)- 青木隆彦
- 直人(イーグルス)- 松尾憲造
- ハジメ(イーグルス)- 井手博士
- マコト(イーグルス)- 芹沢名人
- ガソリンスタンド店員 – 秋山見学者
- 純代 – 篠原尚子
- 沖縄連合組長 – 豊川悦司
- ガソリンスタンド店長 – 鶴田忍
- 金井(大友組組員)- 小沢仁志
- 野球の審判 – 川口仁
- 風間(大友組組員)- 深見亮介
- バイクの少年 – 花井直考
- 釣り人 – 橘家二三蔵
- 喫茶店のウェイター – 神田龍一
- パチンコ店店員 – 藤浪晴康
- 客(沖縄連合)- ト字たかお
- 大友(大友組組長)- 井川比佐志
- 武藤(大友組幹部)- ベンガル
- 南坂(沖縄連合幹部)- ジョニー大倉
- 玉城(沖縄連合組員)- 渡嘉敷勝男
- 上原(沖縄連合組員)- ビートたけし
- 椎谷建治、坂田祥一朗、所博昭、玉寄兼一郎、渡辺航、芦沢孝子、比嘉ひとみ、竹内康博 ほか
スタッフ
スタッフ | |
監督: | 北野武 |
製作: | 奥山和由 |
プロデューサー: | 鍋島壽夫 |
森昌行 | |
吉田多喜男 | |
脚本: | 北野武 |
撮影: | 柳島克己 |
美術: | 佐々木修 |
編集: | 谷口登司夫 |
録音: | 堀内戦治 |
スチール: | 野上哲夫 |
監督補: | 天間敏広 |
助監督: | 吉川威史 |
照明: | 高屋齋 |
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「3-4×10月」の考察とまとめ
北野武監督作品として 考察 するとその後の作品「ソナチネ」までに繋がっていった作品であり、行き着けば「アウトレイジ」の暴力性も本作では既に築かれていたとも思えます。
また、「音楽を無くし。効果音のみにした」という実験的な事も 「3-4×10月」 では試されており、現在の作品より「より痛みを身近に感じる」作品となっています。
そんな 「3-4×10月」 これを機に「こういう映画もあったんだ」と思ってもらえれば幸いです! 「3-4×10月」 おすすめです!